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東京都江東区の歴史
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所在地 江東区東砂1-4-10 (因速寺)

 木造阿弥陀如来立像
 阿弥陀如来立像は因速寺の本尊です。像高は79.0cmで、頭、体、両袖などに数材をはぎ寄せた寄木造りです。眼は水晶を入れた玉眼とし、着衣は黒漆地に漆箔、肉身には金泥がほどこされており、白毫と肉髻珠はともに水晶です。印相は、中品下生といわれるかたちをとっています。像は快慶風の作品で、製作時期は鎌倉時代と考えられます。頭と両手足先に江戸時代の補修のあとがわずかにみられますが、製作時の作風を今日に伝えています。
 因速寺に伝来した時期は不明ですが、『御府内備考続編』の因速寺の項に「本尊阿弥陀如来 木立像丈二尺七寸余 恵心僧都作」とあり、これは現本尊と同一の仏像の記事です。この記事から、遅くとも江戸時代後期までには安置されていたことがわかります。
 この像は、区内でもっとも古いものの一つで、関東大震災や戦災の時には本堂から運び出したため、難をのがれました。製作年代が古いというだけでなく、地域に伝えられ続けてきた、たいへん貴重な仏像といえます。
 平成8年(1996)1月 江東区教育委員会

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