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東京都江東区の歴史
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所在地 江東区深川2-19-13 (増林寺)

  絹本着色毘沙門天像
 左斜めを向いて、岩座上の邪鬼を踏んで立つ、軸装に仕立てられた毘沙門天の画像です(本紙の寸法、縦93.0cm、横36.2cm)。
 毘沙門天は、四天王の多聞天と同体、また十二天の一尊として祀られ、北方の守護神、あるいは福徳神として古くから信仰されています。本像は、円光背を背にして、右手に宝棒、左手に宝塔を持ち、袖や天衣を翻した動きのある姿に描かれており、特に頭上の摩尼宝珠や右手の宝棒は、毘沙門天像としては珍しい作例といえます。
 この画像は、本来像や光背等の輪郭を濃い墨線で描き、顔、甲冑、持物、台座光背などが白、朱、緑青、茶色の顔料(絵の具)と金泥で華やかに彩色されていましたが、現在は当初の色は少し衣褪色し、落ちついた色合いを呈しています。よく見ると、伸びやかな墨線と的確な彩色の筆法には生彩があり、全体におおらかな構図であることとあわせて、この画像が南北朝時代(14世紀)に描かれた優れた仏画であることがわかります。江東区では、やはり南北朝時代の作と考えられる永代寺の絹本着色地蔵菩薩半跏像(区指定有形文化財)とともに最も古い画像です。また、後世の大幅な補筆や修復がなされていないことも、中世の仏画として大変貴重です。
 なお、表具の背面と納入木箱に記された墨書から、この画像が慶應元年(1865)に表装し直され、河内国百済山長栄寺(大阪府東大阪市高井田元町)で開眼供養されたことが知られますので、あるいは明治以降に関西方面から移されたものとも考えられます。
 平成13年(2001)3月 江東区教育委員会

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